
キルギスについて - 世界遺産
世界遺産
ブラナの塔
Burana
ブラナの塔は、キルギスのチュイ州にある11世紀築のミナレットで、かつてシルクロードの交易都市バラサグンの中心に位置していました。建設当初の高さは約45メートルでしたが、地震により現在は約24~25メートルとなっています。幾何学模様が施された外壁は、当時の建築技術を今に伝えています。 塔の内部にはらせん階段があり、頂上からは草原や天山山脈の壮大な景色を一望できます。周囲には、古代テュルク系遊牧民の墓標である「バルバル」が点在し、歴史を感じることができます。また、近くのミニ博物館では、陶器や金属工芸品などの出土品が展示されており、バラサグンの歴史に触れることができます。
移動方法
ビシュケクから約2時間
バラサグン遺跡
Balasagun
バラサグン遺跡は、9~10世紀に栄えたカラハン朝の重要な拠点で、シルクロードの交易都市として発展しました。商人や旅人が行き交う文化交流の中心地でしたが、13世紀初頭のモンゴル帝国の侵攻により衰退し、現在はブラナの塔を除き、ほとんどが廃墟となっています。 遺跡は約25平方キロメートルに広がり、かつての要塞やバザール、宗教施設の痕跡が残ります。敷地内には、動物や狩猟の様子を描いた岩絵や、戦士を記念した石人(バルバル)が点在し、遊牧民の文化や信仰を伝える貴重な遺産となっています。
移動方法
ビシュケクから約2時間
アク・ベシム遺跡(スイヤブ)
Suyab
© JICA Project Team on Chui Tourism Master Plan Project
ブラナ遺跡と同じくトクモク近郊にある遺跡で、かつて中央アジアの主要都市であったスイアブに比定されています。
スイアブはかつて中央アジア地域の交易を担っていたソグド人の交易拠点として成立し、唐の支配下では大規模に町が拡張されました。そのため、遺跡からは中国風の瓦などの遺物などが見つかっており、町の作りなども唐の都長安(西安)を思わせるような構造になっています。また遺跡からはキリスト教の教会やゾロアスター教、仏教の寺院跡も発見されており、国際都市として多くの人々で栄えていたことを今に伝えています。
遺跡は現在、日本の帝京大学の調査チームによって発掘が続けられています。最近でも新しい遺構や発掘品などが見つかっており、今後の更なる研究が期待されている遺跡です。
移動方法
ビシュケクから約2時間
スライマン・トー
Sulaiman-Too Sacred Mountain
スライマン・トー(スライマン山)は首都ビシュケクから南西に約400㎞に位置し、キルギス第二の都市オシュ近郊にある山です。2009年には世界文化遺産として登録されました。 預言者のスライマン(ソロモン)がこの山に逗留したとされる伝説により名付けられました。この山はイスラム教の伝来以前から聖地として考えられており、現在も地元住民の崇敬の対象となっています。
周辺には石器時代~青銅器時代にかけての遺跡、線刻画群、礼拝所、参詣道、イスラーム建築、博物館があり、麓のモスクは1510年に建てられました。
移動方法
ビシュケクから約35分
ビシュケクから約12時間